OSPFのコマンド(詳細)(show ip ospf neighbor)


show ip ospf neighbor コマンドは、
OSPFルータが隣接している ネイバー(隣接ルータ) の状態を確認するためのコマンドです。
OSPFのネイバー関係が確立しているか、どの段階で止まっているかを把握できます。

基本構文

Router# show ip ospf neighbor

出力例(DR環境あり)

Router# show ip ospf neighbor

Neighbor ID     Pri   State           Dead Time   Address         Interface
2.2.2.2           1   FULL/DR         00:00:33    192.168.1.2     GigabitEthernet0/0
3.3.3.3           1   FULL/BDR        00:00:31    192.168.1.3     GigabitEthernet0/0
4.4.4.4           1   2WAY/DROTHER    00:00:36    192.168.1.4     GigabitEthernet0/0

各項目の意味

項目説明
Neighbor IDOSPFルータID(ネイバーの識別番号)
Priネイバーのインターフェイス優先度(DR/BDR選出に使用)
Stateネイバーとの関係状態(例:FULL/DR)
Dead TimeネイバーからHelloパケットを受信しなければ切断されるまでの残り時間
AddressネイバーのIPアドレス(Helloパケット送信先)
Interfaceこのネイバーと通信している自ルータのインターフェイス名

State(状態)の種類と意味

状態説明
Downネイバー関係なし(Hello受信なし)
InitHelloを受信したが、相手に自分の情報がない
2-Way双方でHelloを確認(双方向通信確立)
ExStartデータベース同期開始準備中
ExchangeLSAの概要情報を交換中
LoadingLSAを要求し、データベースを同期中
Fullデータベース同期完了。ネイバー関係確立(安定状態)

役割(DR/BDR)

状態意味
FULL/DR指定ルータ(Designated Router)として動作中
FULL/BDRバックアップ指定ルータ
2WAY/DROTHERその他のルータ(DR/BDR以外)

確認のポイント

確認項目意味
ネイバーが FULL 状態になっているか正常にLSDB同期が完了している
Dead Time が減っていない/0になるHelloが届いていない可能性(リンク障害・設定不一致)
State が 2WAY のままマルチアクセス環境でDROTHERの可能性(正常な場合もあり)
Neighbor ID が見えないネイバー関係が未確立(IP設定・エリア番号・認証不一致など)