1. OSPFプロセスの有効化

OSPFプロセスを開始します。
番号（ここでは「1」）はプロセスIDで、ルータ内部での識別用です。

router ospf 1

2. ルータIDの確認・設定

OSPFでは「ルータID（Router-ID）」が識別子として重要です。
デフォルトでは「最も大きいループバックアドレス」または「最も大きい物理インターフェイスIP」が使われますが、明示的に設定するのが一般的です。

router ospf 1
 router-id 1.1.1.1

※ router-id は OSPFプロセスを再起動しないと反映されません。

3. ネットワークの指定とエリア設定

OSPFに参加させたいインターフェイスをnetworkコマンドで指定します。
エリア番号（通常はarea 0がバックボーン）を指定します。

router ospf 1
 network 192.168.1.0 0.0.0.255 area 0
 network 10.0.0.0 0.0.0.255 area 0

※ ワイルドカードマスクは「サブネットマスクの逆数」です。
例：255.255.255.0 → 0.0.0.255

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝設定としてはここまでです。＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

4. インターフェイス単位で設定する方法（任意で設定）

近年の設計では、インターフェイス単位でOSPFを有効化する方法もよく使われます。

interface GigabitEthernet0/0
 ip address 192.168.1.1 255.255.255.0
 ip ospf 1 area 0

この方法はシンプルで、対象インターフェイスを明確にできます。

5. コストの調整（任意で設定）

経路選択を制御したい場合は、インターフェイスのコストを設定します。

interface GigabitEthernet0/0
 ip ospf cost 10

または全体基準を変更する場合：

router ospf 1
 auto-cost reference-bandwidth 10000   ← 10Gbps対応

6. DR/BDR 選出の制御（任意で設定）

ブロードキャスト環境（例：LAN）で、DR/BDRを制御する場合は優先度を指定します。

interface GigabitEthernet0/1
 ip ospf priority 0     ← DR選出対象外

7. ネイバーの確認コマンド

設定後、隣接関係が確立しているかを確認します。

show ip ospf neighbor

表示例：

Neighbor ID     Pri   State           Dead Time   Address         Interface
2.2.2.2           1   FULL/DR         00:00:33    192.168.1.2     Gig0/0

まとめ

項目	設定内容	例
OSPF開始	プロセスID指定	router ospf 1
ルータID	固定識別子	router-id 1.1.1.1
ネットワーク指定	参加インターフェイス	network 192.168.1.0 0.0.0.255 area 0
コスト設定	経路優先度調整	ip ospf cost 10
確認コマンド	ネイバー・ルート確認	show ip ospf neighbor, show ip route ospf