ASの種類


AS(Autonomous System) とは

同じ管理者(組織)によって運用され、統一されたルーティングポリシーで動くネットワークの集まり。

インターネットは、多くのネットワークが相互に接続されてできています。
その中で、企業・ISP・大学などがそれぞれ自分のポリシーで運用するネットワーク単位を「AS」と呼びます。

  • 例:
    • NTTコミュニケーションズ → AS4713
    • Google → AS15169
    • Cloudflare → AS13335

このように、世界中のASには一意の「AS番号(ASN)」が割り当てられています。

ASには一意の番号(AS番号:ASN)が割り当てられ、
BGPで経路情報を交換するときに使用されます。

AS番号(ASN)の種類

BGPでASを識別するために使う番号には、以下のような分類があります。

分類番号範囲用途
Public AS(グローバルAS)1 ~ 64511
および
131072 ~ 4199999999
インターネット上で公開されるAS(ISPなど)
Private AS(プライベートAS)64512 ~ 65534
および
4200000000 ~ 4294967294
インターネット上では非公開。社内や閉域網で使用

現在は 32bit AS番号(4,294,967,295 まで)が使えます。(4byteASとも呼ぶ)

ASの構成上の種類(BGP的な分類)

BGPの観点から見ると、ASは接続形態によって3つのタイプに分かれます。

種類意味外部AS接続数経路中継(Transit)典型例
Stub AS(スタブAS)1つの外部ASとだけ接続1しない小規模企業・支店
Multihomed AS(マルチホームAS)複数の外部ASと接続2以上しない大企業・ISP接続冗長化
Transit AS(トランジットAS)外部AS間の通信を中継2以上するISP・キャリアネットワーク

Stub AS(スタブAS)

  • 外部ASとの接続は1つだけ。
  • 自分のネットワークから外に出る経路は1本。
  • 外部ASへの中継は行わない

🧩 例:
中小企業がISP1社とだけBGP接続している。

Multihomed AS(マルチホームAS)

  • 複数の外部AS(ISP)に接続。
  • 中継は行わず、自ASの通信だけを扱う。
  • 回線の冗長化や負荷分散を目的とする。

Transit AS(トランジットAS)

  • 他のAS同士を中継するAS
  • ISP(インターネットサービスプロバイダ)が典型。
  • インターネット全体をつなぐ“ハブ”的存在。