BGPの Weight(ウェイト) は、Cisco独自 の経路選択パラメータで、同一ルーター内で最優先される属性です。
ローカルルーター内部でしか使われず、他のルーターに 伝播しません。
- Cisco独自のパラメータ(RFC標準ではない)
- 値が大きい経路が優先される
- ローカルルータ内のみ有効(外に出ない)
- neighborごと、またはルートマップで設定可能
Contents
BGP経路選択での優先順位
- Weight(大きいほど優先) ← 最強
- Local Preference
- 自ルーターが生成した経路(network / aggregate)
- AS-PATH 長
- Origin
- MED
- etc…
Weightは Local Preference よりも強い ので、
「このルーターだけ特定の回線を優先したい」というときに最も簡単に使えます。
Weight のデフォルト値
| 種類 | デフォルト |
|---|---|
| ローカルで生成した経路(network / aggregate) | 32768 |
| BGPピアから学習した経路 | 0 |
設定例①(neighborに対してWeight指定)
router bgp 65000
neighbor 10.1.1.1 remote-as 65001
neighbor 10.1.1.1 weight 500
→ 10.1.1.1 から来た経路は Weight=500 で優先される
設定例②(ルートマップで特定プレフィックスだけWeight変更)
route-map SET-WEIGHT permit 10
match ip address 10
set weight 800
ip access-list standard 10
permit 192.168.10.0 255.255.255.0
router bgp 65000
neighbor 10.1.1.1 route-map SET-WEIGHT in
→ 192.168.10.0/24 のみ Weight=800(最優先)
よくある用途
- ルーター内だけで「優先回線」を決めたい
- 2本のISP回線のうち、片方を優先させたい
- ルーティングポリシーを簡単に変えたい(LocalPrefより手軽)
まとめ
- Weight は Cisco独自の最強パラメータ
- 大きい値が優先
- 他ルーターに伝わらない
- ローカルルーターだけの経路制御に最適