BGPの Local Preference（ローカルプリファレンス / LOCAL_PREF） とは、
AS 内部で「どの経路を優先して使うか」を決めるための値 です。
数値が大きいほど優先されます。

• iBGP内で経路選択に使われる指標
• AS外には送られず、同一AS内だけで有効
• デフォルト値は Cisco＝100
• 数値が大きい経路が優先される

LOCAL_PREF の用途（代表例）

出口ルータを指定したい（メイン回線／バックアップ回線）

例：

• 回線A（高品質）：LOCAL_PREF 200
• 回線B（バックアップ）：LOCAL_PREF 50
  → AS内のルータは必ず「LOCAL_PREF 200」の回線Aを選ぶ。

経路選択における LOCAL_PREF の位置

BGPの経路選択ルール（上位から順番）
1️⃣ 重み（Cisco独自）
2️⃣ LOCAL_PREF（高い方） ← ココ！
3️⃣ 自身が発信した経路
4️⃣ AS-PATH（短い方）
5️⃣ ORIGIN
6️⃣ MED
…以下略

Cisco IOS 設定例

■ 特定の経路に LOCAL_PREF を設定する（route-map）

route-map SET-LP permit 10
  set local-preference 200

router bgp 65000
  neighbor 192.0.2.1 route-map SET-LP in

■ 特定のプレフィックスのみに適用したい場合

ip prefix-list PREF permit 203.0.113.0/24

route-map SET-LP permit 10
  match ip address prefix-list PREF
  set local-preference 300

router bgp 65000
  neighbor 192.0.2.1 route-map SET-LP in

まとめ

内容	説明
LOCAL_PREF	AS内での出口選択用の指標
大きいほど優先	100 → 200 のほうが優先
iBGP内部のみ有効	eBGP には送られない
主な用途	マルチホームでの優先回線設定