乱立するSTPの関連モードを整理する


STPの関連モード(CST / PVST / PVST+ / RSTP / Rapid-PVST / MSTP) は名前が似ていて混乱しやすいところです。

そこでここでは、
➡「誰が作ったモードなのか(IEEE標準 or Cisco独自)」
➡「VLANごとにツリーを持つか」
➡「収束速度」
を軸に、整理します

左の3つは IEEE標準(ベンダー共通)
一方で、CiscoはこれらをVLANごとに拡張した独自モードを提供しています。

IEEE標準Cisco拡張分類
CSTPVST / PVST+通常STP
RSTPRapid-PVST高速STP
MSTP(IEEE標準のまま互換性を持たす)VLANグループ化STP

各モードの比較表

モード名標準/独自VLANごとにツリー収束速度主な特徴
STP (802.1D)IEEE標準❌ 共通ツリー約30〜50秒最初のスパニングツリー。遅い。
CST (Common STP)IEEE標準❌ 共通ツリー約30秒VLAN関係なく1本のツリー(802.1Qでの標準動作)
PVST (Per-VLAN STP)Cisco独自(ISL)〇 VLANごと約30秒VLANごとに独立したSTP。旧方式。
PVST+Cisco独自(802.1Q対応)〇 VLANごと約30秒PVSTの改良版。現在のCisco標準。
RSTP (802.1w)IEEE標準❌ 共通ツリー約1〜3秒STPの高速版。BPDU双方向通信。
Rapid-PVSTCisco独自(802.1Q)〇 VLANごと約1〜3秒VLANごとのRSTP。Cisco環境で最も一般的。
MSTP (802.1s)IEEE標準〇 VLANグループ単位約1〜3秒VLANをまとめて管理できる最も柔軟な方式。