OSI参照モデル


OSI参照モデルは、国際標準化機構(ISO)によるモデルで、
通信を7つの層(レイヤー)に分割し、各層が特定の役割を担うことで、異なる技術の相互運用性を高めています。

OSI参照モデルの7層と役割

以下は、上位から下位への順に並べた7つの層とその主な役割です。

●アプリケーション層

役割: ユーザーが直接アクセスする部分で、ネットワークサービスを提供します。
例: HTTP、FTP、SMTPなど。

●プレゼンテーション層

役割: データの形式や表現方法を統一する。また、データの暗号化や圧縮も行なう。
例: データのエンコード(ASCII、JPEG、MP3など)、SSL/TLSによる暗号化。

●セッション層

役割: 通信のセッション確立、管理、終了を行なう。
例: ネットワークファイル共有プロトコル。

●トランスポート層

役割: データの信頼性と誤り検出を保証し、送信元と宛先の間でデータを正しく配送します。
プロトコル: TCP(信頼性重視)、UDP(高速重視)。
機能: フロー制御、エラーチェック、セグメント化。

●ネットワーク層

役割: データのルーティングと転送を行い、異なるネットワーク間でデータを正しい宛先に送ります。
プロトコル: IP(IPv4、IPv6)、ICMP。
機能: ルーティング、アドレス指定。

●データリンク層

役割: 隣接するデバイス間でのデータ転送を提供し、エラーチェックとデータフレーム化を行います。
プロトコル: Ethernet。
機能: MACアドレス管理、フレーム転送。

●物理層

役割: 実際のハードウェア(ケーブル、信号、電気仕様)を使用してデータを伝送します。
例: 電気信号、光信号、無線周波数(RF)。

OSIモデルの特徴と利点

・モジュール化: 各層が独立しているため、特定の層を変更しても他の層に影響を与えにくい。
・相互運用性: 異なるメーカーの機器が同じプロトコルに準拠していれば、通信が可能。
・トラブルシューティング: 問題を発見しやすく、特定の層に焦点を当てて問題を解析、切り分けやすい。
・現状:OSIモデルの完全な実装よりも、TCP/IPモデルのような実用的なスタックが広く使われています。